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FPSにおける「音」の重要性
FPSにおいて音の重要性は皆さんもご存じの通りだと思います。1人称視点であるが故に壁の向こう側や建物の上のフロアにいる敵を直接見ることはできません。フォートナイトやPUBGなどのTPSの場合は操作するキャラクターの後上方にカメラがくるのでFPSでは見えない場所にいる敵を見ることができます。FPSとTPSではゲームの方向性は同じですが索敵の難易度が大きく異なります。
FPSでは敵の足音を聞いて敵の居場所を予想したり、銃声の聞こえる方向で離れた敵の位置を察知したりと、音も重要なファクターなのです。
ステレオとモノラルの違い
まずは音についての理解を深めましょう。皆さんはステレオとモノラルの違いはわかりますか?
ステレオ音源は2つ以上のスピーカーがないと再現できません。イヤホンだとRとL、テレビでも左右にスピーカーが付いていますね。ステレオ音源は左と右のスピーカーからそれぞれ異なる音を出力することで音の立体感を出しているのです。

聴き手の目の前の空間に音が拡がり、左右の空間に音が配置されます。さらに音に奥行きや臨場感が出てきます。音の定位(どこでどんな音が鳴っているのか判別できること)がはっきりします。
FPSにおいて色んな方向から音が聞こえるように感じるのはこのためです。
一方、モノラル音源はスピーカーが1つだけの再生環境。

モノラル音源を2つのスピーカーから出力しても左と右のスピーカーから同じ音を出力しています。昔のテレビはみんなそうでした。左右から同じ音が聞こえると、1点からしか聞こえてこないため、音の方向性がわからなくなり、FPSには不向きとなります。ラジオを聞いているような感じです。
最近のゲームはステレオ音源で作成されていることがほとんどですが、ゲーミングモニターに後付けのスピーカーを1つだけ接続したような場合、(そんなことする人いないかも知れませんが)ステレオ音源の恩恵を受けることはできません。
サラウンドとは
サラウンドは一般的には5つ以上のスピーカーを使って聴き手を取り囲むように設置し、前からも後ろからも音に囲まれるような音場を作り出します。その臨場感はステレオと比べるまでもありませんね。映画館の臨場感を想像するとわかりやすいと思います。

使用するスピーカーの数によって様々な方式があります。よくみる5.1という表記はそれぞれスピーカーの数とサブウーハーの数を表しており、スピーカー5つとサブウーハー1つで構成されていることを示しています。サブウーハーは超低音域のみを再生します。
ホームシアターなどで実際にこれだけのスピーカーを使用している人なら大迫力の臨場感が得られますが、FPSだけを楽しむ目的ではここまで投資するのは現実的ではないかも知れません。
このサラウンドを仮想で実現する技術がバーチャルサラウンドです。
バーチャルサラウンド
バーチャルサラウンドとは2本のスピーカーのみを使って仮想的に「より多くのスピーカーで再生した時に聞こえるような」立体感のある音響を感じさせる技術です。
同じ音でも前方から聞こえる音と後方から聞こえてくる音では音の大きさ、時間、周波数特性が異なります。人間の耳はこれらの違いを聞き分けて音の方向や距離を判断しています。
この人間の耳の特性を利用し、スピーカーから鳴らす音の大きさ、時間、周波数に人工的に差を加えて、聞いている人に音が聞こえる方向を錯覚させることであたかもサラウンドで聞いているかのように思わせるのがバーチャルサラウンドです。
注意して頂きたいのはPS4では5.1対応のヘッドセットを使用するだけではサラウンド環境は手に入りません。ミックスアンプを使う必要があります。
もちろん、ヘッドセットを使うことでスピーカーよりも良く聞こえる様になりますし、音の定位もわかりやすくなります。テレビのスピーカーで聞くよりも遙かにプレイしやすくなりますのでFPSをするならヘッドセットは必須アイテムと言えます。
正直な話、APEX Legendsを始め、最近のFPSタイトルはステレオ環境で十分楽しむことが可能です。しかし、一人称のFPSであればこそ、より臨場感、没入感のあるサラウンドを体感して頂きたいです。初めて体験した時、私は本当に感動しました。強くオススメします。
オススメのヘッドセット Razer Kraken
ヘッドセットは音響メーカーやゲーミングメーカーからたくさんの種類の物が発売されており、値段もピンからキリまで。正直どれを選べば良いか悩みどころだと思います。
もしヘッドセットを初めて購入するのであればコストパフォーマンスに優れたRazer Krakenをオススメします。
私も使用していますが、実売価格7,000円から8,000円くらいで購入でき、性能的には申し分有りません。頭に当たるパッドが低反発な素材でできており、長時間使用しても負担がありません。耳当ての部分は冷却ジェルパッドを使用しており、大変柔らかく、ひんやりしています。耳に籠もる熱を下げる役割を果たしています。
また、これは実際に装着してわかりましたが、眼鏡をかけてプレイする人にとって眼鏡のフレームの上から耳当てが当たることによりこめかみを圧迫する不快感が気になるものなのですが、Razer Krakenは全く気になりません。これはパッドの柔らかさだけでなく、眼鏡フレーム分の圧を逃がすスペースをパッド内に設けているためです。細かい仕様が眼鏡ゲーマーにとって本当にありがたいです。下の図の②の部分です。

肝心の音質については、カスタムチューニングされた50㎜ドライバーにより高音域から低音域までまんべんなく臨場感あるサウンドを提供してくれます。
マイクについては格納式なので使用しないときは収納しておくことができます。使用する際は引っ張り出して自由な角度にマイクを曲げて使用します。このマイクのシャフト部分の柔らかさも良いですね。
あとはとにかく格好よいという点。色は白や黒、ピンクなどもありますがRazerといえばグリーンのイメージが強く、家電量販店などではグリーンばかり見かけます。他人と違う色が良い人は取り寄せになることが多いです。
ヘッドセットを変えるだけで索敵が非常に楽になった。
いままでヘッドセットを使っていなかった人は、試しにヘッドセットを使ってみましょう。音が良く聞こえるということは索敵が非常に楽になるということです。試しに使ってみる分には上記のRazer Krakenはコストパフォーマンスが良く、とてもオススメです。
私もヘッドセットを使うことで圧倒的に敵の場所がわかりやすくなりました。この建物に敵がいるということが音でわかるようになりましたし、銃声の方向、距離もわかるようになりました。
ダウンした味方を蘇生している時にも敵が駆け寄ってくる音、方向がわかるのですぐに対応することができるようになりました。FPSをするにはヘッドセットは必須アイテムですね。
ミックスアンプを使うと大迫力の戦場体験が可能。
ヘッドセットを変えるだけでプレイ環境は激変しましたが、より凄いといわれるサラウンド環境をどうしても体験したくなり、少々お値段が張りますがミックスアンプを購入しました。
アストロのミックスアンププロは日本で1番売れているミックスアンプといって良いでしょう。マスターボリュームとチャット用のボリュームを別々に調整することができ、とても楽です。通常ならチャットの音が小さければPS4の設定画面を開いて調整する必要があり面倒でした。
ミックスアンププロはマスターボリュームなら左、チャットのボリュームなら右のダイヤルを回すだけで簡単に調整可能です。
そして肝心のバーチャルサラウンドについてですが、これがもう最高の一言。
全ての音が臨場感溢れるサウンドに変わります。銃声もそうですがキャラクターの声も、アナウンサーの声も全部です。APEX Legendsの世界に本当に没入する体験が可能となります。
撃ち合いの際にも音は非常に重要です。相手のリロード音、回復音、蘇生の音を聞いて詰めたり、デストーテムの起動音を聞いて退いたりと、状況判断をする上で敵の音をしっかり聞くことが重要です。
撃ち合いについてはこちらに解説しています。
ミックスアンプの真骨頂 イコライザ設定
ミックスアンプを接続するだけでステレオサウンドがバーチャルサラウンドに変わります。これだけでも臨場感が桁違いで自分の後ろからも前からもきちんと音が聞こえてきます。(正確には聞こえるように錯覚させられています。)
しかしながらこれだけで満足してしまうと、ミックスアンプの性能の半分も使っていないことになります。
せっかく高いお金を出して購入したものですので、その性能をしっかりと使いたいところです。
そこで触ることになるのがイコライザーの設定になります。
アストロのホームページからAstro Command Centerというソフトウェアをダウンロードすることで、イコライザの設定が可能になります。

ミックスアンププロには4つのイコライザ設定を保存しておくことができます。上記の画面は初期の状態のプリセットです。画面右の棒グラフみたいな部分を操作して聞きたい音を強調したり、不要な音を弱めたりすることができるのです。
ミックスアンププロでは音の周波数を5つに分割し、低い音(低周波数)から高い音(高周波数)のそれぞれの音の大きさを調整することが可能です。
足音などは低い音なので低い音を強めれば足音が良く聞こえるようになります。高い銃声音と足音だけに特化すれば間の周波数帯を思い切ってカットすることだって可能です。
ここはどの音をメインに聞きたいかによって、また使用しているヘッドセットとの相性によっても変わってきますので、色々試して最良の条件を見つけるのが理想です。でも難しいんですよね。
ネット上には様々なプリセットが公開されているのでまずは色々試してみて、そこから自分に合うように微調整するのが良いと思います。
参考までに私がAPEX Legendsで使用しているプリセット設定を紹介します。

もともとコールオブデューティー(COD)シリーズで海外では有名なプリセットをどのFPSでも使えるように調整したBeastmode 2.0-Heavyです。
低音域の足音や高音域のリロード音、遠くの銃声などが非常に良く聞き取れるようになります。
また、APEXでは高音域の足音を出すレジェンドもいるので(オクタンやパスファインダーなど)、この設定でAPEXでも問題なく使えます。
これを微調整して自分なりのプリセットにしようとしましたが、この設定が良すぎるので結局変えずに使用しています。
まとめ
FPSを楽しむには音が重要です。ステレオサウンド&サラウンド、バーチャルサラウンドの違いを理解した上で周辺機器をそろえることでFPSをより楽しむことが可能です。オススメのヘッドセットとミックスアンプを紹介しました。ぜひチェックしてみてください。
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